パッチテストを受けられる患者様へ
はじめに:パッチテストとは?
長引く湿疹やかぶれにお悩みではありませんか?
その症状は、化粧品、アクセサリーの金属、塗り薬、衣類など、私たちの身の回りにある特定の物質に触れることで起こる「アレルギー性接触皮膚炎」かもしれません。
パッチテストは、その皮膚炎の原因となっている物質(アレルゲン)を特定するための、信頼性の高い検査です。原因を正確に突き止めることで、今後の対策や治療に繋げることができます。
このような方にパッチテストをお勧めします
• なかなか治らない、または繰り返す湿疹がある方
• 手、足、顔、まぶた、首など、特定の場所の皮膚炎が長引いている方
• 原因がはっきりしない皮膚炎にお困りの方
• お使いの化粧品や金属などでかぶれが疑われる方
• 特定の職業(美容師、医療・歯科関係者、金属加工業など)に就いてから皮膚炎が悪化した方
• 歯科治療や手術で体内に金属を入れる予定があり、金属アレルギーが心配な方
検査のスケジュール:約1週間で4回の通院が必要です
パッチテストは、アレルギー反応がゆっくりと現れることを利用した検査です。そのため、正確な診断のために複数回の来院をお願いしています。
検査を受ける前の注意点
• お薬について:
o ステロイドの飲み薬や塗り薬、その他の免疫を抑えるお薬(免疫抑制剤)を使用している場合、正しい検査結果が出ないことがあります。**現在使用しているお薬は、必ず事前に医師にお伝えください。**お薬によっては、検査の数週間前から中止をお願いする場合があります。
o かゆみ止めの飲み薬(抗ヒスタミン薬)は、検査に影響が少ないため、通常は中止する必要はありません。
• 日焼け:
o 背中が強く日焼けしていると、皮膚の反応が弱まる可能性があります。検査の2週間ほど前から、背中に直射日光が当たることは避けてください。
• 背中の毛の処理:
o 背中の毛が濃い方は、パッチが皮膚に密着しにくいため、検査の1~2日前にご自身で剃るか、短くカットしてください。(カミソリ負けしないようご注意ください)
検査期間中の過ごし方
正確な結果を得るために、以下の点をお守りください。
• 汗をかかない: 汗をかくとパッチが剥がれたり、アレルゲンが流れて正しい判定ができなくなります。検査期間中は、激しい運動やサウナなど、汗をかく活動は避けてください。
• 背中を濡らさない: パッチを貼っている間はもちろん、パッチを剥がした後の最終判定まで、背中を濡らさないようにしてください。入浴は避け、シャワーも首から下は工夫して浴びるようにしてください。
• 背中を掻かない: パッチを貼った場所がかゆくなることがありますが、掻いたり、こすったりしないでください。
• 服装: 背中を締め付けない、ゆったりとした服装をお勧めします。
• 印を消さない: 判定のための重要な印です。消さないようにご注意ください。
検査結果と今後について
最終判定日に、どの物質に陽性反応が出たかをご説明します。陽性反応とは、パッチを貼った部分に赤み、ブツブツ、腫れ、水ぶくれなどの皮膚炎が起きることを指します。
原因アレルゲンが特定できた場合は、その物質がどのような製品に含まれているか、そして今後それをどのように避けていけばよいか(生活指導)を具体的にお話しします。原因を避けることが、皮膚炎の改善と再発予防の第一歩です。
副作用について
パッチテストは安全な検査ですが、まれに以下のようなことが起こる可能性があります。
• 症状の一時的な悪化: 陽性反応が強く出た場合、かゆみや湿疹がひどくなることがあります。
• 色素沈着: 反応が出た部位が、シミのように茶色く色が残ることがあります。通常は数ヶ月で自然に薄くなります。
• 新たな感作: ごくまれに、検査した物質に対して新たにアレルギーを獲得してしまうことがあります。
ご不明な点や、検査中に強いかゆみ・痛みなどがありましたら、遠慮なく医師・スタッフにご相談ください。